さて、命がけのトレーニングに話を戻します。
病気をしてからの私は、
特にパニック症になってからの私は、
何をするにも、「出来ない!」「無理!」という考えで一杯でした。
だから、この状態から抜け出せなければ、
人のお役に立つなんて大それたことは、絶対に不可能だと思っていました。
心を柔らかくする為にも、まず私がやらなければならなかったことは、
長年生きてきた中で、溜まってしまった重みや、
世間の評価や、会社での役職や、
対人関係などから自分を開放してあげることだったのです。
「今度こそ自分らしく生きよう!」
と決めました。
まずは身近で、出来ることから始めました。
今までのように、しっかりしている上司を演じるのはやめて、
皆と本音で向き合ってみました。
ちょうどこの頃から、当事勤めていた会社の全社員を対象に、
コーチングを、始めていたので、
部下にもコーチングを取り入れながら、向き合うようになっていました。
今までのように、一方的に指示するのではなく、
部下の気持ちや想いを聴いた上で、私の想いを伝えていきました。
そして、今まで任せっきりにしていた雑務的な仕事も、
出来るだけ、自分でやるようにしました。
オフィスや広いホールも
徹底してきれいに大掃除しました。
汗をびっしょりかいていました。
何でだろう・・・。
些細な事でもちゃんと出来ている自分がうれしくて、掃除をしながらも本当によく笑っていました。
とても気持ちよかったのです。
「生きている実感」のようなものを感じました。
「こうあらねばならない自分」から
「こうしたい自分」への転換。
「プライド」を捨て、
とにかくいいと思う事は、何でもやってみました。
そうしている内に、ある日ふと気付くと、
「いつも怒っている自分」から
「いつも笑っている自分」に変化していきました。
でも、そうなっていけたのは、しんどかったあのパニック症から、
徐々に回復していく過程があったからこそだと、今改めて思います。 |